
むかしむかし、がくどうさまが、ひじり山にのぼったときのこと。
どこからともなく白いきものをきた、ごんげんさまがあらわれて、「おまえは、ここでしゅぎょうをつづけろ。そうすれば、しみずがわきでるおまじないを、おしえよう。」というや、水たまをくださりきえてしまった。
「こんなに、山も森もきれいな、おおおかの村に、田んぼができたら、村の人たちは、さぞよろこぶであろう。」
がくどうさまは、こつこつとひとりで、川をこしらえはしめた。あんまりいっしょうけんめいほっているので、村のしょうも、そんならおらもといって、いっしょにほるようになった。なん年たったか、なにしろ、がくどうさまのはいているてつのはが、おとなの手のひらのだけぐれえに、へってしまったとき、四十八の川が、やっとできあかっか。
がくどうさまは、さっそく、山のちいさないけに水たまをなげ、おまじないをとなえた。そうすると、いけの水が、どぶんどぶんとわきでて、川へながれだした。
村のしょうは、うんとよろこんで、あれたところをたがやして、田んぼをつくった。
がくどうさまは、このいけのちかくに、ごんげんさまをおまつりして、たびにでかけてしまったが、このいけは、いつまでもつきることなく、田んぼに水をわけてくれた。いつのまにか、「おたねいけ」って、よばれるようになったそうな。