山の神
昔、大熊にあった飯森松のことを「裏の大松」といっていた。大松はまわりのどの木よりもひときわ大きかった。
ある日、村に住むきこりがその大松を切り倒そうと斧をふるったところ、切り目から鮮血が流れ出した。その時、空はにわかに曇りだし、雷が鳴り、暴風雨が吹き荒れ、松の木からは蛇が一匹炎を吐いて、きこりに迫ってきた。
きこりは、あまりの恐ろしさに命からがら家に逃げ帰った。雨は三日三晩降り続き、延徳たんぼは大洪水になった。
村人たちは、山の神の怒りに触れた祟りだと考えた。そこで、大松の根元に祠を建て、山の呻を祀ったという。
(ふるさとの伝説と昔話)

