更科の天神様

  更科集落の中央の広場にりっぱな天満宮があり、中に天神様が祀られている。
 ある時、天神様の花びんが落ちて割れてしまった。ところが、その年は冷害で凶作になった。こんなことが重なって起きたことから、村人たちは天神様の前で「薄気味悪い。こんな天神様は縁起でもない、どこかへやってしまえ」などと話し台っていた。そこへ、更科に住む馬方の仁右衛門が通りがかり、その話を聞いて天神様を貰い広場に祀った。
 ある秋の日、松川の南照寺の境内で草相撲が行われていた。あまり賑やかなので馬を道端の木につないで、しばらく見ていたが相撲に出てみたくなった。ちようど「五番抜き飛び入り」が行われていた。仁右衛門の強いこと、あっという間に五人抜きで優勝してしまった。馬方の日当の三倍もの賞金で、ニンジンをどっさり買って馬にくれた。
 更科の人たちは、仁右衛門が強いのは天神様のお陰だといっていた。

  (ふるさとの伝説と昔話)

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中野市公民官報 文化なかのより